月替わりに伝説のアーティストをフィーチャーする新番組、「MUSIC JUNCTION」の事前特番収録に潜入!
2020.03.19秦野邦彦
お笑いコンビ「ずん」の飯尾和樹、音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」のコムアイが、4月から放送開始の新番組「MUSIC JUNCTION」の事前特番、「80年代女性アイドル伝説 feat.松田聖子」の収録に参加し、松田聖子をはじめとする80年代女性アイドルの魅力を存分に語り合った。
同番組では80年4月1日にデビューして今年40周年を迎える松田聖子をフィーチャーし、彼女を愛してやまないゲスト陣と共にその魅力を独自の視点で深掘りしていく。MCをつとめる飯尾(68年生まれ)とコムアイ(92年生まれ)は初顔合わせだが、お互い「会えるのを楽しみにしていた」と、好印象を抱いていたことが分かるとすぐに意気投合。
ゲストは海外セレブのトレンドに詳しいライター・さかいもゆる、昭和スターのプロマイド写真を撮影、販売するマルベル堂6代目店長兼カメラマン・武田 仁、松田聖子のコンサートに通い続けて30年、ものまねタレント・まねだ聖子の3名。さらにデータを補足する<天の声>役で『昭和歌謡職業作曲家ガイド』など数々の書籍を手掛けた編集者・ライターの馬飼野元宏が参加した。
ゲスト紹介の際、さかいは「半年前、聖子さんの39周年武道館コンサートを観て、『私たちはなぜこんなにも松田聖子に魅せられるのか?』という記事を書いたところ、番組のプロデューサーが声をかけてくれた」と番組参加の経緯を説明。「師匠がずっと聖子さんを撮っていました」という武田は、当時人気のバロメーターだった“プロマイド ”とはどういうものかを解説。まねだが「こんばんは、松田聖子です」と脇をしめて手を振る聖子ちゃん風挨拶を披露すると、すかさず飯尾が「野球だと、インコースをうまく打てそう」と返して爆笑を誘った。
アナログレコードになぞらえて[A面]と題した番組前編は、80年代がいかに女性アイドル黄金期だったかを検証していく。中でもトークが白熱したのが、中森明菜、早見優、小泉今日子、堀ちえみといった多くの逸材がデビューした「花の82年組」について。「松本伊代ちゃんは82年組じゃないんだ?(81年デビュー)」「太陽のように輝いていた聖子ちゃんに対し、明菜さんは月のイメージ」など思い思いに持論を展開していく。
「(いまのグループアイドルと違って)みんなソロなんですね」と驚くコムアイに「そう、全員ピン芸人」と飯尾。80年代後半に突如巻き起こった洋楽カバーブーム、テレビ番組から生まれたおニャン子クラブの衝撃、作詞や楽器演奏もこなす森高千里の登場など、80年代女性アイドルシーンの多様性が改めて浮き彫りに。
続く[B面](番組後編)では、今月の主役・松田聖子にクローズアップ。作詞に松本隆、作曲に細野晴臣、松任谷由実、大瀧詠一といった豪華作家陣を迎えたヒット曲の裏側をめぐって、トーク内容もさらに濃いものに。シングル「白いパラソル」のカップリングで映画デビュー作『野菊の墓』の主題歌「花一色〜野菊のささやき〜」の話題になり、飯尾が「どんな曲でしたっけ?」と水を向けると、即座に完璧な声色で歌い出すまねだ。「豪華だよね〜」と一同感心しきり。長年にわたって研究を続けてきたまねだは、独特な歌い方やMCの定番フレーズを次々と披露。特注で制作した聖子ちゃんカットのウィッグの値段にみんなが驚く場面も。
「(聖子は)私のカワイイの定義をつくったといっても過言ではない」と語るさかいは80年9月、引退直前の山口百恵が聖子と唯一の共演を果たした『ザ・ベストテン』(TBS系)の思い出を語りながら「バトンを渡す瞬間を目撃した気分」と回想。その後も恋愛、結婚、出産、離婚など人生の節目を迎えても人気が落ちず、女性に支持される理由について熱く語った。
武田はデビュー当時、マルベル堂の“プロマイド”売り上げでダントツの1位を誇った聖子に、カメラマンとして最大級のリスペクトを捧げる。マルベル堂の“プロマイド”には衣装写真がほとんどない理由も明らかにする。さらにコムアイ、まねだ、飯尾をモデルに“プロマイド”の撮り方を実演。「連写ではなく、一枚一枚時間をかけて丁寧に撮るよう師匠から教わりました」とその極意を披露した。
収録を終えたコムアイは「すごく楽しかったです! 飯尾さんの笑いの引き出しの多さ、また、たくさん話していただいたのにまだまだ話し足りなさそうなゲストの皆さんに圧倒されました」と満足な様子。飯尾も「生まれる前の出来事にもかかわらず、コムちゃんは勉強熱心な子だから、次々出てくる解釈や質問も鋭かったです。あと、どんな質問をしても答えてくれる<天の声さん>の力も大きいですね」と共演者に太鼓判を押した。
番組の最後には4月からの番組レギュラー化も発表。その記念すべき1回目のテーマは「日本のロック feat.忌野清志郎」となる。
(取材・文=秦野邦彦)