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「週刊 田原俊彦」という特集が組まれることについて率直な感想をお願いします。
田原俊彦(以下田原) : 僕はデビューして36年目を今年6月で迎えるのですが、クリス(松村)さんが僕よりちょっと下の世代だと思います。彼はデビュー曲の『哀愁でいと』からずっとこれまでの歴史を把握してくれてますし、上手くナビゲーションをしてくれて。シングルを70曲バーっと並べてスペシャル感を出してフィーチャーしてくれる、すごくありがたい機会を頂きました。この後、僕が精一杯選んだ10数曲をこのステージで歌うんですけど、それだけじゃなくて、いろんな昔の映像も放送されます。懐かしさもありつつ、過去、現在、そして未来へと繋がる流れをこの特集でたっぷり1ヵ月も見られるので、僕のファンの方も楽しみに待ってくれてますし、僕も楽しみにしています。
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「クリス松村の注文の多いレコード店」という特番の収録を終えたばかりですが、ズバリ見どころは?
クリス松村(以下クリス) : 普段見られない田原俊彦さんが見られます。まじめに語ってくださるトシちゃんがいらっしゃる。作品に対して、あるいは活動に対して、自分の歌に対して真摯な態度、気持ちが前面に出る場面もあります。
田原 : 僕はね、もっとバラエティー色を強く、わちゃわちゃハッピーにやろうと思ったら、クリスが「この番組はふざけないで!そういう番組じゃありません!いつものふざけたトシちゃんはいらないですから」みたいな。
クリス : そこまでは言ってないです!
田原 : 収録の前から言われちゃって、なんだつまんねー番組だなって(笑)
クリス : 違います!
田原 : 堅苦しくやられてもこっちは困るなと…。
クリス : 最新シングル『BACK TO THE 90'S』までほんとに歴史があるから、それをやっぱり振り返りたいの。
田原: (収録は)すごく面白かった。ていうのは、クリスは『哀愁でいと』からすべて網羅してて、「なんでこの時こっちがこうじゃなかったのか」、「B面がA面じゃなかったんだ」とか、「なんでここで『夏ざかりほの字組』をやっちゃったんだ」、「なんでお笑いに行ったんだ」とか…お笑いじゃねえし!(笑)。「なんでそのままそのかっこいい路線を攻めなかったのか」とか、すごく熟知してくれてる。ほんとに僕の分身たちのシングルに思い入れを持って、ブラウン管の向こうから大きな視野で見てくれていたんだと。まあ、男だけじゃなくて聖子ちゃんとかアーティストの人達、アイドルの人達の流れをずっと見てて、それを全部リアルに伝えてくれるので、「あっ、そういう見方してたんだ」ってすごく勉強になりました。これからステージやコンサートで、「この曲を歌ってほしい」とリクエストもされて、(クリスの)そういう想いや意見を聞けて、すごく有意義な時間を過ごせましたね。
クリス : ご意見だけじゃなくて、やって下さらないと!・・・お願いします。
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「田原俊彦スペシャル」が出来るというのはどういった気持ちですか?
クリス : ファンとして当時ずっとブラウン管で見ていたトシちゃんと一緒に振り返られたのがすごく嬉しい。さっきトシちゃんも「自分が現場にいて見えない部分が逆に見れたよ」っておっしゃっていただいて、逆に気づかないこともおありなんだぁって。
田原 : 僕よりもめっちゃ知ってるのよ。例えばレコード盤の時代、おまけ的なソノシート。ピクチャーレコードは僕も憶えてるんだけど、この時の「ラブ・シュプール」って歌はレコード盤が真っ白なんだぁとか、シングルで「トシ」って別袋の特典があったりとか。
クリス : まだ話せなかったことがあるんですよ!「シャワーな気分」もジャケットが2種類あってラミネートカードも2種類あるんですよ。ごめんなさい、話しきれなかったからここで話そうと思って(笑)。
田原 : 僕も改めて発見がすごく沢山あったので「あー。楽しかったなぁ」って思いがありますね。
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クリスさんはもともとトシちゃんのファンで?
クリス : 大ファンですよ!ほんとにオンタイムに全部買ってますから。
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魅力というのはどこですか?
クリス : 魅力?やっぱりエンターティナーってところ。最初のデビューのときからずっと。
田原 : でも、クリスは僕が「あはは」ってふざけてるのより、マイナーな歌を歌っているシーンの方が好きだって言ってましたね。
クリス : 男らしいトシちゃんが好き。「あはは」ってのも好きですよ。だけど「あはは」って歌の時にもB面は結構男らしい歌を歌ってるんですよ。それを聞いて「いいなぁ」って思って、私はこっちって。
━━━━━恋愛対象なんですか?
クリス : 「やだーそんなことないですよ~」
田原 : こう見えても僕らは3、4年前に西麻布で交わってますから(笑)。あの時も結構声が大きくてね、俺も口を押えながらね。「どーなんだ。電話番号教えろ」って交換してね。たまに用もないのにメールきたりしてね。面倒くさいなぁって思いながらね(笑)
━━━━━ トシちゃんはどっちもOKなんですか?
田原 : 俺ですか?違うから!僕は女子専門ですね。
━━━━━ トシちゃんって女性好きじゃないとつまらないって思います。
クリス : ファンからすればそうよ!
田原 : そこに男と女が別にあるわけじゃないですし、友達は友達で大切にするし、僕の本当の盟友である三浦知良なんかもすごい大切にするよ。彼は所属チームの土地で生活するわけじゃないですか?その時々、そこで知り合った人たちを本当に大切にするから。そういった意味で友達ってのは無碍にできないですよね。
━━━━━ 元気の秘訣というか源はどこなのでしょうか?
田原 : まあ生きることですよ。生きるためにがんばらないといけないですし、それを待ってくれるファンの方が僕にはいますから。彼女たちによって僕はずっとステージに立っていられるし、これからもそこをジワジワと裾を広めてね。今年36年目ですけど、40周年に向けてね、いつもと変わらずコツコツやっていきます。
━━━ 例えば40周年に向けて考えていることはあるのですか?
田原 : 今は全く考えてないですけど、毎日が僕にとってはいい経験になるし、いい時間にする!
クリス : 40周年は東京オリンピックの時だから開会式で歌ってほしい。開会式よ!トシちゃん!派手な開会式が見たいんですよ。前回の長野は静かな感じだったから、派手にしたい!派手にできる人がトシちゃんだと思う。
田原 : がんばります!
クリス : 期待してます!
━━━━━ 特集編成としては、この特番のほかに、1994年の松田聖子さんとの「ふたりのビッグショー」、2004年の研ナオコさんとの「素敵にショータイム」、2009年の甲府での30周年のライブなども放送させていただきます。その中でオススメは?
田原 : 僕は今回新曲も含め15曲歌うんですけど、それ以外の素材でもいろんな角度からフィーチャーしてくれて、同期である聖子ちゃんとか、お世話になったナオコさんとか、そういった違うアーティストとのコラボレーションを改めて見られるっていうのは、僕もすごく楽しみで、絶対見たいなと自分でも思っています。という事で、田原俊彦はこの6月にデビュー36周年に突入します。そして、この歌謡ポップスチャンネルで1ヵ月、日曜日のよる9時から2時間、4週にわたって僕のヒストリーをずっと紹介してくれるんで、是非とも楽しみにしておいて下さい。僕自身も楽しみにしています。もちろんバッチリ生歌歌ってがんばります!よろしく!
(インタビュー:2015年5月)